罪悪感について〜コロナ禍における心理的影響

 最近、多くの人が罪悪感を感じていると聞きます。コロナ禍の影響で、たくさんの人々が職を失い、苦しんでいる。子供たちやお年寄りも、外に出られず、友達や家族と接する時間を制限されて、辛い思いをしている。それなのに、自分には仕事もあり、家もあり、食べ物にも困っていない。自分は、少し仕事が忙しいくらいで文句を言ってはいけない。多少苛々することがあっても、そういった感情を外に出してはいけない。なぜなら、自分は「幸福」だから。そのはずだから。…本当に、そうでしょうか?

もちろん、あなたは基本的な意味で満たされています。衣食住を確保できており、人間にとって最低限必要なものは、今は手に入る状態です。けれども、あなたがそのことで罪悪感を感じたとしても、誰も救うことにはならないのです。これは、一つの大きなポイントだと言えるでしょう。罪悪感は人間の自然な感情の一つですが、過度の罪悪感を持つことは、誰にとってもプラスにはなりません。

罪悪感を持つことがマイナスなのではなく、罪悪感を持つことによって、あなたが自分の幸せを制限してしまうことがマイナスなのです。あなたは、幸せでいていいし、人間が生きていくのに最低限必要なものを持つ権利があります。旅行に行ったり、リラックスしたりする権利もです。え?「人々」が苦しんでいるのに、私だけそんな楽しい思いをしてはいけないんじゃないか…。そう思われる方もいるかもしれません。でもそんな考えは、戦時中の考えと同じではないでしょうか。時代は、変わったのです。むしろ、あなたが幸せであることによって、結果、あなたは周りの人間をも幸せにしているので、その方が、より多くの「人々」を幸せにすることができるのです。つまり、あなたがストレスを我慢することによって生まれる負の感情が生み出すマイナスの方が、その時生まれる少しの自己満足的プラスより、周囲の人間にとって影響が大きいということです。

もう一つ、ポイントがあります。それは、結局、人間一人ひとりの幸せの責任は、その人自身にあるということです。もし、あなたが今日職を失ったとしたら?あなたは、次の人生計画を考えざる負えない。そんな時に、この世界のどこかの誰かがあなたを「かわいそう」と哀れんでいても、あなた自身の状況に影響を及ぼすことはないはずです。あなたは、知り合いに助けを求めることはあるにしても、見ず知らずの誰かに頼るということはせず、自力で人生を切り開いていこうとするのはないでしょうか。そうです。人間には皆、一人ひとり、そんな力がある。そう信じるしかないのです。

先に、罪悪感はプラスにならないと書きましたが、そこには例外があります。それは、罪悪感を行動に変えた時です。もし、本当に誰かを救いたいを思っているのならば、考え続けるだけではなく、その考えを行動に移してみてはどうでしょう。実際にクラウドファンディングを立ち上げる、寄付をしてみる、ボランティアを始めてみる。選択肢は、思ったよりたくさんあるはずです。もっと小さいことでは、友達と問題について話し合ってみる。それだけでも、世界が動く時はあります。私なんて、たった一人の人間だ。私一人の人間の行動が及ぼす影響なんて小さすぎる。そう思うこともあるでしょう。でも、確かにあなたは、今この世にいる人間の一人なのです。もし、この世界の人間全員があなたのように意志を持って、行動したとしたら?世界は確実に、良い方向に変わっていくのではないでしょうか。