いじめの対処の仕方~親として、子供として、どうすればいいか?

最近いじめに関するニュースは多いですが、いじめが起こった時、どのように対処すればいいかはあまり知られていないような気がします。いじめは簡単にエスカレートしてしまうし、加害者側も、相手をどれだけ傷つけているか気付かないうちに被害者自殺など、大変な事態になってしまうものです。自分もしくは家族にそのようなことが起こった場合、気付いた時点で早いうちに対処することが第一だと思います。

1.親としての役割

子供同士での喧嘩はあって当たり前だし、子供の喧嘩に大人は介入するな、というのはよく言われることです。でもそれは、レベルの問題です。そのレベルを的確に判断し、介入すべき時に素早く介入するのは親、もしくは周りの大人の役割です。自殺などが起きてしまっているケースのほとんどが、大人の介入が遅すぎたことによると言っても過言ではないと思います。そこで、どのようにいじめの深刻さのレベルを判断すればいいか、いくつかの例を挙げて説明します。

ヒントとしては、暴力が絡んでいる場合、お金が絡んでいる場合、性的なことが絡んでいる場合は、すぐに介入すべきです。これらのことは、18歳以下の子供だけで解決するのは難しいことが多く、子供たちだけに任せておくべきではないでしょう。

SNSの中でのいじめも、陰湿なものが多いです。ただこれは、証拠が残っている場合が多いので、調べやすいといえば調べやすいことがポイントです。自体が深刻だという兆しがあれば、子供の意思もあるでしょうが、命にかかわる事態になる前に、介入されることをお勧めします。

実際介入というと、どういうことか。まず、教師をあてにしすぎないことです。よく、学校側が何もしてくれなかった、というニュースの記事が見られますが、基本的に、学校はあてにしない方がいいでしょう。そもそも学校という場所には子供に勉強を教える義務がありますが、子供の社会面すべてを背負えるかというと、そのようなキャパシティーが無い場合が多いのです。教師は勉強を教えるトレーニングを受けていますが、けんかの仲裁などを特に習う訳ではありませんし、心理カウンセラーやセラピストでもありません。そういった能力は、教師をしていく中での経験によって自然と培われていくものであり、人により能力はまちまちなはずです。教師自身の人間性もあるし、主観的になり、見方が偏ってしまうこともあるでしょう。ですからそのような曖昧な能力をあてにするのは、第一に危険があります。

そして、自分の子供がいじめられた(もしくはいじめた)場合、親同士で解決することは必要になってくると思います。ただ、状況によりそれが難しい場合は、子供をそういった環境から離す。これが一番です。繰り返しますが、学校はあてになりません。むしろ、残念ながらいじめの存在を隠蔽しようとする学校は、アメリカにも日本にも多いです。ですから、相談するだけ時間の無駄になることもあるし、相談しているうちに時間が経ってしまい、手遅れになる場合もあります。事態が深刻であればあるほど、もしくはそうなる前にいち早く決断し、動くことは親として必要です。

また、学校以外の第三者(例えば弁護士や警察など)に介入してもらうことも手だと思いますが、これも難しいことが多いでしょう。第一、高額な費用などが生じてきてしまうかもしれません。けれども、こういった方法も、学校の基本的な義務は勉強を教えることだけ、ということがわかっていれば、妥当なものだとは言えるでしょう。

2.子供自身の役割

一番のポイントは、子供自身がいじめを拒否する能力を身につけることです。どの子も、いじめや差別を受けてはならないし、自分は不公平な扱いを受ける必要などない、という強い意志と自分に対する尊厳を身につけることです。私のせいだ、とか、私はいじめられて当然だ、という気持ちが根底にあるのであれば、まずそこが問題です。

具体的にどうすればいいか。それは、抵抗することです。抵抗といっても、必ずしも暴力を使って、という訳ではありません。それも自分を守るための最終手段ではありますが、まず、Noということ。それだけでも抵抗です。自分と周りの間にきっちり線を引き、自分のやりたくないことにYesという必要はない。この境界線(Boundary)を学ぶことができれば、一生役に立ちます。

ただ、最終的にこのようなことを子供に教えていくのは、やはり親の役目と言えるでしょう。つまり、親自身に境界線を引ける能力がないと、子供にそういったことを教えることは難しいはずです。ですから、子供がいじめられやすいというのは、子供だけの問題ではない場合も多いです。そう、親自身の心理的な問題や、親同士の関係の問題などと、深い繋がりがあるのです。例えば、Noといって離れていくような友達は、本当の友達ではない。そういったことを教えていくだけでもいいのです。まずは、そのような生き方を、親が実践していきましょう。